妊娠中は体調やホルモンバランスを崩しやすくなったり、さらに海外出産となるとカルチャーショックを受けることも多く、不安になることも多いかと思います。
私は新型コロナウイルスの感染者がオランダで初めて報告される前日に妊娠が分かり、未知なるウイルスと未知なる妊娠生活やロックダウン中の海外出産でストレスフルな状況でしたが、他の方の出産記録をたくさん読んでとても勇気づけられたので、今回はオランダで無痛分娩をした時のことを記録に残したいと思います。
今回の出産レポートはオランダで初産、無痛分娩をあらかじめ希望した場合となります。
これからヨーロッパ、特にオランダで出産を控えている方の参考になれば幸いです。
<陣痛から出産までの流れ>
01:00 夜中にお腹が少しずつ痛くなって目が覚めました。体力を温存するために寝なくちゃと思いつつ、前日おしるしもあったため、これが陣痛だろうなとソワソワして全く寝れませんでした。
04:00 少しずつ本格的にお腹が痛くなり(生理痛程度)、旦那さんに助産師さん(24時間夜勤中の助産師さん)へ電話してもらいました。
助産師さんがすぐに家に来てくれて、簡易的な検査をしてくれました。これが陣痛なのか異常な痛みなのか聞いたら、「これは陣痛だよ。でも子宮口がまだ開いてないし、陣痛の感覚もまだ浅いから病院に行くのはまだ早いと思う。もうしばらく家で様子を見ようね。破水もしていないから、またあとで家に来るね。」と言って一旦助産師さんが帰っていきました。
9:30 どんどん陣痛が強くなり(今まで感じたことがないレベルの痛み)、疲れも出てきて限界を感じたので、助産師さんに電話してまた家に来て簡易検査をしてもらいました。助産師さんからは「子宮口がまだ2cmしか開いてないよ。通常は子宮口が5cm以上開いてから病院に連れていくけど、陣痛が夜中の1時から始まっていて、これから長丁場になる可能性が高いと思う。寝れていないから体力も心配だから、もし希望があれば病院に行けるように手配するよ。」と言われました。
初産婦が出産にかかる時間の平均は12~15時間頃と聞いていたので、もうすぐ10時間経とうとしているのに2cmしか子宮口が開いていないことにショックを受け、体力に自信がなかったので即答で今すぐ病院に行きたいと言い、助産師さんが病院に電話して、病院からも許可を得られたので病院へ行くことになりました。家から駐車場まで歩くのがすごくきつかったです。助産師さんは自分の車で、私たち夫婦は自分たちの車で行きました。
10:00 病院は家から10分以内の距離だったのですぐに病院に着きました。歩くのがきつかったのですが、助産師さんが病院の車椅子を車の近くまで持ってきてくれたので良かったです。そしてすぐに病室(個室)移動しました。助産師さんは病院のスタッフさんに引継ぎをして、助産師さんとはここでお別れとなりました。(多分コロナ禍でなければ出産終了まで付き合ってくれていたと思います。)
その後、子宮口のサイズ(この時点で5cmとなっていました!)やエコーなどの検査をして、すぐに硬膜外投与の同意書にサイン。同意書にサインしたらすぐに別室に移動し20分後くらいにはすでに硬膜外投開始され、投与後15分後には少しずつ痛みが軽減していきリラックスすることができました。投与後問題ないことを確認し元々いた個室に戻りました。
12:00 痛みがかなり軽くなり(軽い腹痛程度)、軽く食事をしました。(硬膜外投与していたので食事の選択ができず、ビスケットとイチゴジャムを食べました。)旦那さんはサンドイッチを食べて、その後眠くなったので2時間ほど爆睡しました。
14:30 起きて、痛みもそこまでなかったため旦那さんや看護師さんと談笑したりしていましたが、陣痛促進剤を使ったらあっという間に子宮口が10cm開いていました。(痛くなかったので全然実感がなかったです。)
17:30 いきむように指示されたのはこの頃から。硬膜外投与されていたのでいきむ時も我慢できるくらいの痛みでした。
18:05 へその緒が赤ちゃんの首に引っかかっていたようですが、初産にもかかわらず数回のいきみで無事に出てきてくれました。
へその緒は旦那さんが切ったり(旦那さんは血が苦手でやりたくなかったそうですがやる流れだったそうですw)、バースプランに希望していなのに胎盤見せられたりしましたが、産後ハイと疲れと赤ちゃんの可愛さでどうでもよくなっていました。
会陰切開は2cmほどで、すぐに塗ってくれました。多少は痛かったですけど、最初の陣痛と比べるとそこまで痛くなく我慢できる程度でした。
19:00 夜ご飯は3つくらい選べたのですが、出産直後で食欲はなく、ゴートチーズのサラダを選びました。
写真を見ていただくとわかるかと思いますが、ドレッシングがトマトにちょっとかかっているだけだったので全然食べきれず、家から持ってきていたチョコバーなどを食べていました。(またお世話になる機会があればおにぎり持っていこうかなと思っています。笑)
まぁ、出産費用何もかも無料だったのでこんなもんでしょうかねぇ。
その他には、オランダ名物、「Beschuit met muisjes(ベスハウト・メット・マウシェス)」や、ヨーグルトをいただきました。
これらは私の好物だったので良かったんですが、アニスシードの味なので日本人の方は苦手な方も多いかもしれません。
ちなみに旦那さんは有料(8ユーロ)払ってミートボールをオーダーしましたが、こんなにまずいミートボールは初めて食べたと言っていました。
21:00 便が出るまでは帰宅できないよと言われて、早く帰ってゆっくり寝たかったので頑張って、その後自家用車で帰宅しました。
駐車場から家まで歩き、ベッドルームへの階段を上がる時は痛かったのですが、陣痛に比べれば痛くありませんでした。
22:00 夜勤担当のクラームゾルフさんが到着し、私は寝てていいよーと言われてたので寝ていましたが、旦那さんはオムツの替え方など最低限の赤ちゃんをお世話する方法を習っていました。夜勤担当のクラームゾルフさんは30分くらいで帰っていき、長い1日が終わりました。
<感想>
私は出産前に病院出産希望、無痛分娩希望と助産師さんに伝えており、あらかじめバースプランにも書いていました。
出産中も各医療スタッフさんたちからも十分に説明をしていただき、常に私の選択を尊重してくれて希望通りに出産することができました。
移民という立場で、無償で無痛分娩することに罪悪感の様なものがあったのですが、出産後にお医者さんに「長丁場の出産で、陣痛の感覚も長かったから硬膜外投与はベストな選択だったと思うよ!むしろ、君が希望しなくても無痛分娩をおすすめしていたと思う!」と言ってくれて嬉しかったです。
また、地域の大病院での出産でしたが、スタッフ全員が流ちょうな英語で対応してくれてオランダ語が話せない私でも安心して出産をすることができました。
そして、私は立ち合い出産を強く希望していたのですが、コロナ禍だったのにもかかわらず、オランダの病院からは「どんなにコロナが猛威を振るっても立ち合い出産はできるから安心してね」と言われていたのでその面でも心強かったです。
それと日本人の方からは想像しにくい出産3時間後の帰宅については、確かに帰宅して階段を上がったりするときは痛かったのですが陣痛に比べれば我慢できるほどでしたし、ベッドに寝た後は約1週間クラームゾルフの方や旦那さんが赤ちゃんや家の家事をしてくれるので、自分の住み慣れた自宅でリラックスしながら暖かい時間を過ごすことができてよかったなと思いました。
周産期に関わっていただいた方々に心から感謝をしていて、もしまた出産する機会があっても日本ではなくオランダで出産したいなと思いました。