1つのイメージの中に、それと全く同じ小さなイメージが描かれ、それが繰り返して描かれているという仕組みの特殊なイメージのことをドロステ効果と呼びます。
現在では珍しくないこのドロステ効果のイメージは、実はオランダのチョコレート会社「ドロステ(Droste)」が原点にあるということをご存知ですか?
日本にも輸入食材が手に入るお店でも手に入れることができるので「ドロステ(Droste)」のチョコレートをご存知の方も多いかと思います。
オランダでもほとんどのスーパーでお手軽に買うことができるチョコレートブランドですが、オランダのスーパーマーケット(Albert Heijn)のコーヒーなどが販売しているコーナーには、ひときわ目立つレトロなパッケージのココアパウダーが売ってあります。
ミステリアスな表情の看護師さんが、コップとドロステの箱が乗っていているお盆を持っているのですが、よく見るとドロステの箱には看護師さんが描かれておりその看護師さんが持っているドロステの箱にはまた看護師さんが…そう、このパッケージこそがドロステ効果の原点なのです。
1900年頃にJan Musset(ヤン・ムセット)というオランダ人が、スイスの芸術家Jean-Étienne Liotard(ジャン=エティエンヌ・リオタール)の「チョコレートガール」という絵にインスパイアされてこの絵が誕生しました。
ドロステの設立者がこの絵をパッケージにと選んだそうですが、設立者がなぜそのパッケージを選んだかは定かではありません。
ただ、当時ココアパウダーは貴重で健康食品の一つであり、設立者はこの絵を「健康食品を持ってくる看護師さん」と表現していたそうです。
販売当時のパッケージには看護師さんの腕に赤十字の腕章が描かれていたそうですが、やがて赤十字からクレームが入り、現在は赤十字のマークは外されたデザインとなっています。
実はオランダ人画家の「エッシャー(Escher)」もこのドロステ効果を使ったアートをいくつも生み出しました。企業の広告がアート界に影響を与えたという事実も面白いですね。
それでは、このドロステのココアを使ったオランダ風ホットチョコレートのレシピをご紹介したいと思います。
<材料>1人分
ドロステのホットココアパウダー 大さじ1.5
砂糖 大さじ1/2
水 大さじ3
温めた牛乳 200㎖
生クリーム(なしでも可)
<作り方>
①牛乳をお鍋で温める
②コップにココアパウダー、砂糖、水をコップに入れて混ぜてココアをペースト状にする
③温まった牛乳をコップに注いで混ぜる
④お好みで生クリームを乗せる
濃厚にしたい場合は水の代わりに牛乳を入れても美味しいです。
このレシピはお砂糖控えめですが、甘めがお好みの方は砂糖の量を調節されてください。
自分の好きなように味をカスタマイズできますし、インスタントのホットチョコレートと比べ物にならないほど美味しくておすすめです!是非お試しを♪