観光、文化

アムステルダムの歴史的な木造建築のバーで美味しいビールを!

ハイネケン(Heineken)などの様々なビールを世界中に排出している、ビール大国のオランダ。
私は日本にいる時にはそこまでビールが好きではなかったのですが、オランダに来てからは種類豊富なビールを飲み比べるのが楽しくなり、今ではすっかりビール党になっています。

今回の記事ではオランダのアムステルダム中心街(アムステルダム中央駅から徒歩5分!)にある、地元の人に愛される「ウトゥ・アーピェン(’t Aepjen)」というバーを歴史を絡めながらご紹介したいと思います。

建物の歴史

1546年~1550年頃に完全木造建築として建てられました。
アムステルダムの中心街に現存するこの年代の木造建築は現在ここの建物を含め、2軒しか残っていないそうです。
アムステルダムの中心街にある古い建物はオランダの黄金時代(レンブラントなどの時代)の建物が多いですが、ここの建物はそれよりも前の建物となります。
特に階段は一度も修復されることなく、建設当時のもののままの状態で残っているそうです。

この建物はホテル、家、紙屋さん、薬屋さんなど当時の建物のオーナーによって役割も変わってきましたが、現在のバーになったのはごく最近で1986年からだそうです。
建設されたと言われている1550年頃は日本でいう、日本は室町時代頃で、その時代の木造建築でビールを楽しめるなんて贅沢な気分になりますよね!

現在

アムステルダムは観光客が多く観光客向けのバーも多いのですが、このバーは昔からアムステルダムで生まれ育った人も足繫く通うバーだそうです。

バーの名前はウトゥ・アーピェン(’t Aepjen)といい、日本語では「猿」という意味ですが、その名前の由来は諸説あるものの、昔の建物のオーナーが客寄せ用に猿を飼っていたからという説が一番有力だそうです。

現在は1階はバーとなっており、2階は泊まることができるそうです。

お店の名前が慣用句になっている?

オランダには”In de aap gelogeerd zijn”という慣用句があり、直訳すると「あなたは『Aepjen』(ホテルの名前)に泊まった」という意味になりますが、これは「あなたはとばっちりを受けている」という意味の慣用句になるそうです。

そして、この建物がその慣用句の起源になったと言われており(証拠は残っていないそうですが)、現在でもオランダ人の中で広く使われているそうです。

なぜ、そんな慣用句になったかというとこの建物がホテルだった大昔に、船乗りがよく利用する安いホテルだったそうですが、ホテルに宿泊した時にノミに刺される人が多かったので、「宿泊代をケチったからノミに刺された」という言葉から「あなたが◎◎したから、とばっちりを受けている」という意味でこの慣用句が使われるようになったそうです。
(今の2階のホテルはNHホテルグループが管理しており、とてもきれいになっているそうです。)

メニュー

最後にメニューについてご紹介します。

↑画像の右側が「樽生ビール」で、左側がボトル「ボトルビール&飲み物」のメニューとなります。

ビールをメインで提供していますが、オランダ発祥の蒸留酒のイェネバーやワインなども置いてあります。

中でもおすすめなのが、アムステルダムの地ビール工場がこのバーのために作っている「Aepjen Bier」です。
お味はマイルドでフルーティーなビールです。
「Aepjen Bier」を頼むと専用のグラスで提供してくれて「Aepjen Bier」のロゴの下には”In de aap gelogeerd zijn(あなたはとばっちりを受けている)”(先ほど述べた慣用句)も書かれています。

また、おつまみ系のメニューはこの木造建築を守るために、店内で調理が必要な温かい食べ物は提供しないそうです。
なので、通常のオランダのバーにあるような揚げ物はなく、ここのバーのおつまみは、チーズやアムステルダム名物の生ソーセージ、レバーソーセージの3つしかありません。
特に生ソーセージはビールに合うのでおすすめです!

アクセスしやすい場所にありますし、歴史を感じながらビールを堪能したい時におすすめのバーです♪

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